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14本目。IBANEZ/JEM 77 FP

10代後半でロックに目覚め、以来30年以上ロックの忠実な僕として自らの半生を捧げてきた身ですが(笑:大袈裟)、一時期ロックに失望を感じ、ロックシーンから遠ざかっていた時期がありました。私生活の上でも変化が生じたり、別のものに興味・関心が移っていたことも影響していたのだと思います。数年に渡って新しいCDを買うことも無くなり、音楽そのものも聞かなくなっていました。

そんな時、改めて私を音楽シーンに引き戻す切っ掛けとなる出会いがありました。
それが映画「クロスロード/Crossroads」です。

この映画は1986年公開のアメリカ映画で、たまたまレンタルビデオ屋にあったVHSを見たのが最初でした。実在のブルース奏者ロバート・ジョンソンの「クロスロード・ブルース」をモチーフにした映画で、主人公のユジーン少年がロバート・ジョンソンの失われた楽曲を求めて南部に旅し、ついにはミシシッピーの十字路で悪魔と契約し、ギターバトルに引きずり込まれる、というストーリー的には「有り得ない」お話しです。

映画全編にギターがフューチャーされていて、ギター弾きにはおいしい場面が目白押しです。
圧巻は、映画終盤のギターバトルで、ジャック・バトラーの繰り出す高速リックに対抗し、ユジーン少年は出自のクラシックフレーズを駆使し、最後はジャックを倒します。

この時の主人公の少年が弾き引き倒すフレーズが私のギター魂に再び火をつけたんです。それまで、メカニカルな早弾きばかり聞かされていて食傷気味になっていたのですが、こんなにもメロディアスな早弾きのフレーズがあったのか、と目から鱗が落ちる思いをしました。まず考えたのは、このフレーズを誰が弾いているのか、ということでした。映画の中では主人公がそれらしい運指で手を動かしていますが、明らかにアテレコです。他の誰かが弾いているのです。

最初に考えたのが、映画のサウンドトラックです。エンディングロールにライ・クーダーの名を見つけて早速CDを探し出しました。しかし、このCDに収められているのは全編ブルースのみ、ギターバトルのフレーズは一つも出てきません。さらに、映画のエンディングロールを見てみると、ジャック・バトラー役がスティーヴ・ヴァイなる人物で、音楽面でも絡んでいることを知ります。それから、映画公開前後の音楽雑誌のバックナンバーを漁り、ついにスティーヴ・ヴァイがこのフレーズを弾いていて、これがパガニーニのCapriceをベースにしていることを突き止めました。

ココから自分の第2の音楽人生がスタートしました。まずはスティーヴ・ヴァイを追い、ジョー・サトリアーニを知り、しばらくロックシーンから身を遠ざけていたために知らずにいたネオクラシカル路線を再認識し、インギー、インペリテリ等を聞き出し、パガニーニの流れで西山毅にまで辿り着きました。いずれも、ギターで表情豊かなメロディアスなフレーズを、様々なテクニックを駆使してきらびやかなサウンドメイキングを施しながら弾きだす様に魅了され、再びギターを手にすることを決意させたのです。

そんな自分の中での新しい変化を感じつつ、スティーヴ・ヴァイのギターテクの秘密を探りたくて入手したのが、このIBANEZ JEM 77 FPです。

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このギターの最大の特徴はネックだと思います。とにかく薄いです。私が所持しているどのギターよりも薄いです。そのためか、逆に指板が広く感じます。このネックをヴァイは異星人のようなドでかい手と長い指で完全に握りこんで、縦横無尽に指を躍らせるんです。一般的な成人男性の中では小さい部類の手の持ち主である私には、到底まねの出来ない芸当であることがイヤというほど分かりました。

それでもこのギターが私にとってはFRTタイプのユニットを持つ最初のギターでしたので、チューニングの仕方やアームの使い方など、様々なことをこのギターから学ぶことができました。そしてこのギターがウォールペーパーを張り込んでいて、二つと同じパターンの無いギターであることが、後のリメイクギター創作のヒントにもなってくれました。

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自分にとっては思い出と思い入れの多いギターのひとつです。

さて、次はストラト系で、自分で手を入れたコンポーネントギターの登場です。

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